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厳しく優しく見守る視線。世界の海を知る僕らの「校長先生」

 子どもたちに囲まれて日焼けした顔をほころばせているのは、公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団(YMFS)が運営する「ジュニアヨットスクール葉山」の校長、箱守康之さんです。子どもたちが夏休みに入ったこの時期は、校長先生にとって一年でもっとも多忙なシーズンです。
 「心身ともに健全な逞しい人材の育成」をめざして運営される同スクールでは、セーリング練習以外にも、子どもたちの成長を促すさまざまな独自のカリキュラムが組まれています。それらのうち「水辺の安全講習会」や「浜名湖夏季合宿」、さらに「伊豆大島外洋帆走訓練」などがこの季節に集中し、夏休みを終える頃にはひと回り逞しくなった子どもたちの笑顔が見られるというわけです。
 「ヨットに限らず、どんなスポーツでも、本人が熱中さえすれば自然と逞しさが身に着くものです。でも、自然と向き合うスポーツだからこそ手に入れられる逞しさもある。ヨットの上では一人きり。何かが起こった時に、気象を読むのも転覆したヨットを起こすのも、またそうした中で正しい判断を下すのもすべて自分自身。もちろん怖さもある中で、だからこそ立ち向かう時の勇気、乗り越えた時の達成感はかけがえのないものになるはずです」。
 そう話す箱守さんは、かつてセーリングで6度の日本一に輝いた実績を持つ元アスリート。日本のボイコットにより幻となったものの、モスクワ五輪(1980年)選手団の一人でもありました。1970年代から80年代にかけては、ヤマハ発動機の舟艇事業部(当時)に所属しながらセーリングの世界選手権を転戦し、またオークランド~福岡をはじめとする数々の外洋クルーザーレースでもその名を馳せた「世界の海を知る」人物です。
 その箱守さんの「360度の水平線に身を置いて、見えない目的地に向かってみんなで進む。その冒険心を子どもたちに味わわせたかった」という思いで実現に漕ぎ着けたのが、葉山から伊豆大島までの往復52マイル(約96キロ)を大型セーリングクルーザーで航海する外洋帆走訓練です。「子どもたちに他では味わえないような特別な自信を持ってもらおうと、船を提供してくださるオーナーや、あたたかく迎えてくれる大島の皆さん、それから万一に備えて見守ってくださる海上保安庁など、多くの方々の協力によって実現できる行事です」。今年も8月16~18日、6回目となる航海が実施されます。
 「このスクールはアスリートの養成機関ではありません。だけど、競技エリートよりもじつは誰より海が好き、ヨットが好きという子のほうが私は強いと思う」。海に親しみ、セーリングを楽しみ、仲間と助け合う中で、『僕はオリンピックをめざす!』という子が自然に出てきたら? と尋ねてみると、その質問には答えず、海焼けしたコバルト色の目を優しそうに細めたのでした。


<本件に関するお問い合わせ先>
 ヤマハ発動機株式会社 コーポレートコミュニケーション部
 広報グループ  TEL 03-5220-7211

関連URL:http://www.ymfs.jp/project/support/junioryachtschool/

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