【ニュースレター】運転技量を視覚化する、技術向上支援システム
「加速・減速」と「旋回」を可視化
「レッスンを受ける前は、どこで減速して、どこで加速すれば良いのか意識しないで運転していました。もし(一日を通したレッスンを受けた後の)2回目の計測でそれらが改善されていたら、自信にもなるし励みにもなります」。そう話すのは、3月に二輪免許を取得したばかりの女性ライダーです。「教習所でも苦労して、このままでは不安だったのでYRA(ヤマハ・ライディング・アカデミー)を受講した」そうです。
4月中旬、千葉県で開かれたYRA「大人のバイクレッスン」の会場で、運転技術の向上を支援する新たな取り組みがスタートしました。走行技量をデータで可視化する「YRFS(ヤマハ・ライディング・フィードバック・システム)」の導入です。
「YRFS」は、車両に搭載した簡易デバイスで位置や速度のデータを取得し、コーナリング中の写真と合わせて走行時の「加速・減速」と「旋回」の状態を可視化してフィードバックするシステム。二輪車開発の基礎研究としてヒトと車両の運動特性を掘り下げ、そうした研究活動から得た知見を応用したスキルアップのための支援ツールです。
技量向上の実感が向上心を生む
その効果を実感したのは初心者だけではありません。経験豊富なベテランライダーも、「自分の加減速をデータで確認して、基本に忠実な走りができていなかったことを自覚した。レッスン前と指導を受けた後のデータを比較することで、インストラクターの的確なアドバイスに納得感が増した」と目からウロコが落ちた様子。また「日常の運転で癖がついてしまっていることにも気がついた。その良くない癖をフラットな状態に戻すきっかけにもなった」と話すライダーもいました。
「大人のバイクレッスン」の受講者には、後日、インストラクターからのアドバイスと、手本となるインストラクターの走行データが追記された「YRFS」のフィードバックシートが送られます。レッスンを受けた後も、時々シートを見返して課題を確認すれば、日常の運転の中でさらなるスキルアップが期待できそうです。
「YRFS」の特徴の一つに、簡素かつ一般的な機材で運用が可能なことが挙げられます。特定の場所に足を運んで計測を受けるのではなく、より多くの人々のスキル向上を支援することを重視した結果です。この特徴を活かし、タイや中国など海外の指導の現場にも順次導入が計画されています。
「成長が実感できれば、もっと上達したくなる。向上心が沸いてくる」。参加した皆さんが口を揃えてそう話してくれました。
■広報単担当者より
ライディングはこれまで可視化できないものでした。この日参加したあるベテランライダーも、「自分たちの時代は感覚で教えられ、感覚で学んでいくしかなかった」と振り返ります。それが見えるようになることで、「理論で教え、理論で学べるようになる。若い人たちにとっては間違いなく上達の近道になる」と話してくれました。
YRA 「大人のバイクレッスン」 https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yra/otona/
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