【ニュースレター】「現場監督者」の縦×横をつなぎ続けて半世紀
「強い現場」を目指す監督者の研究会
1955年7月1日に静岡県浜名郡北浜村(現・浜松市浜北区)で創立した当社が、現在の磐田市に本社を移転したのは1972年2月のこと。二輪車の急激な輸出拡大を背景に、なだらかな丘陵地帯の18万平方メートルに年間60万台を見据えた増産体制を築き、新たな一歩を踏み出しました。それからちょうど50年。本社移転に前後してスタートしたさまざまな取り組みや活動が、間もなく50周年を迎えようとしています。
たとえば、J2ジュビロ磐田の前身・ヤマハ発動機サッカー部の創部もこの年。同じように、生産現場では1971年11月に「ヤマハ発動機技能役付会(以下・FC※会)」が発足し、現場監督者たちによる人財育成をはじめ、モノづくりに関わるさまざまな自主研究がスタートを切りました。半世紀前に誕生したこの研究会は、いまなおその歴史をつなぎ続け、本年12月に開かれる総会で設立50周年の区切りを迎えます。
生産現場の工長と職長で自主運営するFC会の会員数は、およそ260人。また、海外の生産拠点や国内関連会社にも、この本社FC会を範とする自主研究会が20以上組織されています。
自己と組織を磨き、後継者を育てる
「FC会では、後継者の育成や自己研鑚・相互交流のためにさまざまな活動を行っていますが、その核心を成すのがアップルツリーの概念です」。そう話すのは、会長の齋藤雄之さん(磐田第1製造部)。「リンゴの実は業務の成果、幹は人財育成など製造現場のこだわりを表しています。おいしい果実や太く強い幹をつくるためには、豊かな栄養を湛えた土壌が必要です。FC会はその土を耕し、潤いを与えるために、事業領域や職場を超えた監督者たちが連携して活動しています」(同)
「強い現場」をつくるために、それぞれが第一線監督者として自分を磨き、人を育てる――。言葉にすれば簡単なようですが、それらすべてを主体的に捉え、自らの意思で考え、学び、実行し、その伝統を紡いできたことは歴代会員たちの誇りでもあります。
一方、モノづくりの現場は変革期を迎えています。FC会の取り組み課題にも、「グローバル」「イノベーション」「ダイバーシティ」「女性活躍」といったキーワードが並び、人財育成や自己研鑽のアプローチにも変革が求められるようになりました。
「50年前に記された設立趣意書には、ケネディ大統領の言葉が引用され、監督者たちに強い自覚を求めています。もちろんそれを私たちは先輩から受け継いで、大切にしてきました」と齋藤さん。同時に「時代の変化を正確に捉えて、FC会も変革していく必要を感じています。50年の節目を迎えたいま、次の50年に目を向けて、伝統の継承と変革にチャレンジしていきたいと思います」(同)
※FC= フォアマン・サークルの略
■広報担当者より
お話を伺うまで、FC会の皆さんに対する私の印象は「生産現場のこわもてのリーダーたち」というものでした。しかし実際にお会いしてみると、その印象はがらりと変わり、「会社や職場を少しでも良くしようと、利他の精神で汗をかく面倒見の良いベテラン技能者たち」と、ちょっとソフトな印象に。「後継者を育てる活動を通じて、自分自身も成長できる」「人財育成をする立場になって、自分もこうやって育ててきてもらったのかとあらためて感謝の念を持った」と、口々のその意義を話してくれました。
本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
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