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【ニュースレター】坑道見学で活躍する「低速電動モビリティ」

電磁誘導による自動運転で坑道を走るヤマハランドカー

トロッコに代わる移動手段を
 鉄と魚とラグビーの町、岩手県釜石市――。北上山地の西部に位置する釜石鉱山は、良質な鉄鉱石の産地として明治時代から栄えてきました。1993年に大規模な採掘は終了しましたが、いまでは地下水力発電所による発電や、岩盤から湧き出すミネラルウォーター「仙人秘水」の産地として注目を集めています。
 写真は、釜石鉱山(株)(https://www.sennin-hisui.com/ )が管理する坑道の現在の姿です。アリの巣のように伸びる坑道内は、一年を通して湿度90%、気温10度という厳しい環境。その中を当社製の5人乗り電動ランドカーが、ビジネス視察に訪れる皆さんや社会科見学の子どもたちを乗せて、ゆっくりと一定の間隔を保ちながら進んでいきます。
 「昨年、電動カートを導入するまでは、枕木の上にレールを敷いてバッテリー式のトロッコを走らせていました」。こう話すのは、釜石鉱山の千葉慎吾さん。「ですが、補修部品の入手が困難になり、また専門の技術者も見つからないといった課題の解消が困難なことから、トロッコに代わる移動手段の検討を開始した」そうです。

天然水坑道内は冒険ムードいっぱい。快適な見学をサポートする

移動と搬送の課題解決に貢献
 昨年3月から稼働を開始した5台の電動ランドカーは、当社ゴルフカー事業で実績のある電磁誘導技術によって、あらかじめ設定したルートを自動走行します。また車間を保つ制御システムにより、5台の合計で最大22名のお客さま(安全運行員を除く)を最奥部に近い仙人秘水の水源まで案内します。
 「トロッコの時代は、同行者と会話ができないほど騒音が出ましたし、大きな振動もありました。そうした点でも、クリーンかつサイレントな電動ランドカーは見学者の快適性にも貢献しています」と、千葉さん。車両に装着したタブレットで案内を行うなど、より充実した見学を提供するための取り組みも積極的に行われています。
 「最初にご相談をいただいてから、およそ4年。初めて坑道を見させていただいた時には、これは難しいと感じたことを覚えています」と、ヤマハモーターパワープロダクツ(株)の松浦由樹さん。「走行路には川のように水が流れ、剥き出しの岩盤がカーブを塞ぐような個所もありましたので......。そこから釜石鉱山さんでは坑内整備を、私たちは車体やシステムの開発に取り組んで、昨春、運行まで漕ぎつけました」(同)
 コンパクトで、クリーン&サイレントなランドカーは、レジャー施設や公共施設、さらには農業の現場など、さまざまなフィールドで移動や搬送の課題解決に貢献しています。現在は感染拡大防止の観点から見学が一時中止されている釜石鉱山ですが、アドベンチャー気分いっぱいの坑道見学に、子どもたちの元気な声が戻ってくる日が楽しみです。

「仙人秘水」の地下貯水池まで自動運転車が案内



■広報担当者より
リゾート施設内の短距離移動を目的に、当社が初めてランドカーを開発したのはおよそ半世紀前。その後、ゴルフカーの事業で実績と技術を高め、近年では社会課題の解決につながるソリューション・モビリティとして注目を集めています。コンパクトで汎用性の高い車体と、当社の自動運転技術の組み合わせで、活用のフィールドはまだまだ大きく拡がっていきそうです。 


ランドカー導入事例:https://www.yamaha-motor.co.jp/golfcar/activity/
本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ 
TEL:0538-32-1145
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