本文へ進みます

【ニュースレター】森林資源の循環を目指す住宅メーカーの挑戦

昨年実施した計測データの一部。高密度な点群データを基に森林を可視化(ウッドフレンズ社所有の山林)

地上調査とレーザ計測のデータを比較
 「2人がかりで山に入って、樹種を特定しながら幹の直径を測って歩きました。調査を行ったのはわずか1.3ha程度の山林ですが、それでもすべてを計測するのに5日間を費やすことになりました」
 愛知県の住宅メーカー(株)ウッドフレンズ様が、自社で所有する山林の調査を行ったのは昨年のこと。同社独自のコンセプト、「木質資源カスケード事業」の進展に向けた基礎データを取得するためでした。
 「斜度40度以上の山を歩きながら、1,300本もの樹木を測定するのはたいへんな労力」と同社・森林資源事業部の今泉史雄さん。しかし、「こうした情報をきちんと把握していなければ、私たちが目指す林業の循環や資源の適切な活用を実現することができません」と話します。
 とは言え、こうした地上調査が行われたのは、同社が所有する山林のほんの一部。このほかに、およそ20倍もの面積の山林を所有しており、同じように歩いて調査するのは現実的ではありません。そこで「今後の可能性の一つとして検討するため」(今泉さん)に、昨年6月、産業用無人ヘリコプターを使った当社の森林計測サービスをご利用いただき、地上調査との比較可能な前述1.3haの森林の調査を実施しました。

ウッドフレンズ社所有の山林の一部。
木質資源カスケード事業の実現には、樹種ごとの正確な数や成長の度合い等、資源の正確な把握が必要

健やかな森林、スマート林業の循環
 地上調査と、上空からのレーザ計測――。二つの調査で感じた違いをお尋ねすると、「一番の違いは効率。地上調査では2人で5日間かかったのに対し、無人ヘリの計測はわずか2時間で完了しました。それから、高精細な地形図を取得できたこともレーザ計測ならではと感じました」と今泉さん。反面、樹種の特定には多少の誤差も見受けられ、「これに関しては、データを積み重ねることでさらに精度を高めていっていただきたい」と期待を込めて話してくださいました。
 「私たちが進めている『木質資源カスケード事業』とは、木質資源の利用可能性を拡げ、地域の林業や森林の循環につなげていく挑戦です」と説明してくださったのは、同社・企画室の鍛治由織さん。「伐って、使って、植えて、育てる。これを循環させるために、林業と建設資材生産、住宅建築販売までを一貫して行う『製造小売』を展開し、山林の取得や製材工場の稼働を目指しています」(同)
 戦後の拡大造林政策によって作られた人工林の多くが主伐(収穫)・間伐(間引き)を必要としていながら、その多くが放置され、住宅用建材の主役を輸入材が担う中での同社のチャレンジ。健やかな森林、健全な林業、そして低炭素社会の実現に向けた取り組みの第一歩は、森林資源の正確な把握と適切な管理と言えるでしょう。当社の森林計測技術も、その一翼を担っています。

昨年実施した無人ヘリによる計測では、1.3haを約2時間で完了

■森林計測サービス
https://www.yamaha-motor.co.jp/ums/forest/

■広報担当者より
少子高齢化等によりゆるやかな縮小が予測される戸建新築住宅市場ですが、一方でエネルギーの収支をゼロにする「ゼロエネルギーハウス(ZEH)」が注目を集めるなど、住宅に対する消費者の価値観も変わりつつあります。そうした中で進められるウッドフレンズ様の壮大なチャレンジ。当社も技術でその取り組みを支援しています。
本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ 
TEL:0538-32-1145
ページ
先頭へ