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【ニュースレター】気づきへの導きで「モノづくりの喜び」を次世代に

EVクラスへのコンバート初年度で、全種目完走、クラス2位の好成績を残した名古屋工業大学

学生フォーミュラ経験者が次世代を支援
 「『エンジンはブラックボックスではない』――。いまも強く心に残っている言葉です。その言葉に刺激を受けた私たちが、今度は『モーターや制御も、ブラックボックスではないよ』と背中を押す立場になりました。学生の皆さんには、どんどんチャレンジして、モノづくりの喜びを肌で感じる濃密な時間を過ごしてほしいと願っています」
 学生によって組織されたチームが、フォーミュラスタイルのレーシングマシンを設計・製作し、その企画や技術の総合力を競う「学生フォーミュラ」(主催:自動車技術会)。その日本大会が、8月下旬から9月上旬にかけて静岡県袋井市で開かれました。
 冒頭のコメントは、当社の学生フォーミュラ支援活動でリーダーを務める斎藤悠介さん(PF戦略部)によるもの。自身が金沢大学の学生だった頃、当社支援活動のメンバーから受けた「ブラックボックスではない」という助言と指導が、電動モビリティの開発者として活躍する現在も「自分の土台になっている」と振り返ります。
 当社には、学生時代に「学生フォーミュラ」を経験した社員が70人以上在籍し、主にエンジニアとして活躍しています。その多くが社内支援活動のメンバーとして名を連ね、次の世代をサポートしています。

昨年は通過できなかった車検をクリアした静岡大学も、一歩一歩前進
(C)ガクセイフォーミュラジェーピー

答えを与えず、気づきに導くサポートの作法
 学生フォーミュラの現場には、近年、世相を映すような変化が生まれています。「2013年からEVクラスが始まって、年々、電動にコンバートする学校が増えてきました。今年はEVが全体の3分の1を占めて、当社も静岡大学と名古屋工業大学の2チームにモーターとインバーターを提供しました」とサブリーダーの清水良祐さん(MBSE推進部)。とは言え、まだ歴史が浅く、経験や知見が少ないEVクラスでは、車検をパスすることさえ困難な状況が続いています。
 当社の支援活動には、学生たちとの向き合い方に、伝統的な作法が存在します。それは学生たちに「答えを与えない」ということ。自らを相談役と位置づけ、気づきを導き出すことを主眼とした支援が続けられています。「すべての技術は、先人たちの失敗の上にあると私は考えます。頭をひねり、手を加え、そして壊す。そんな失敗を繰り返さないために、再び学び、考える。学生の皆さんにはそうした機会を提供していきたい」と清水さん。
 さて、同タスクチームの支援を受けてEVクラスに出場した2チーム。名古屋工業大学はEVクラスで2位となり、全種目完走という目標を達成しました。一方の静岡大学も、昨年涙をのんだ車検を見事にクリア。当社支援活動では、EVの基礎を学ぶ講座の実施などを計画し、今後も学生たちを支援していく予定です。

「社会に出れば、製品開発のサイクルは数年にもおよびます。それを毎年体験できる4年間を充実して過ごしてほしい」と話す
齋藤さん(右)と清水さん

■広報担当者より
学生フォーミュラの世界でもEVシフトが加速し、EVクラスにコンバートするチームが相次いでいます。また、EVクラスにチャレンジする大学からは「入部希望者が増加傾向にある」という声も聞こえてきました。「学生フォーミュラに打ち込んだ4年間で、自分はモノづくりの型を得ることができた」と斎藤さん。EVでもがいた人材が実社会で活躍する日が楽しみです。
本件に関するお問合わせ先
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
本社:0538-32-1145 / 東京:03-5220-7211
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